幼児期の生活のほとんどは、遊びによって占められている。遊びの本質は、人が周囲の事物や他の人たちと思うがままに多様な仕方で応答し合うことに夢中になり、時の経つのも忘れ、そのかかわり合いそのものを楽しむことにある。すなわち遊びは遊ぶこと自体が目的であり、人の役に立つ何らかの成果を生み出すことが目的ではない。しかし、幼児の遊びには幼児の成長や発達にとって重要な体験が多く含まれている。遊びにおいて、幼児が周囲の環境に思うがままに多様な仕方でかかわるということは、幼児が周囲の環境に様々な意味を発見し、様々なかかわり方を発見するということである。例えば、木の葉を木の葉として見るだけではなく、器として、お金として、切符として見たりする。また、砂が水を含むと固形状になり、さらには、液状になることを発見し、その状態の変化とともに、異なったかかわり方を発見する。これらの意味やかかわり方の発見を幼児は、思考を巡らし、想像力を発揮して行うだけでなく、自分の体を使って、また、友達と共有したり、協力したりすることによって行っていく。そして、この発見の過程で、幼児は、達成感、充実感、満足感、挫折感、葛藤などを味わい、精神的にも成長する。このように、自発的な活動としての遊びにおいて、幼児は心身全体を働かせ、様々な体験を通して心身の調和のとれた全体的な発達の基礎を築いていくのである。その意味で、自発的活動としての遊びは、幼児期特有の学習なのである。したがって、幼稚園、保育園における教育は、遊びを通しての指導を中心に行うことが重要である。
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