ヒスイも気をつけよう

2011.06.22

ヒスイもお気をつけください。ミャンマーの街角でよく見かける光景ですが、本物の高価なヒスイの隣に似たような色の石が半値以下で並べられています。色や輝きは同じで、「この価格なら土産にちょうどいい」と客が手を出すように店が仕掛けているのです。ところが安いほうの石は本物そっくりでも、ネフライトといわれるまったく別の物。ヒスイには二種類あって本物を硬玉、ネフライトを軟玉といい、ひっくるめてヒスイと呼ばれているのです。ネフライトだって広い意味でのヒスイには違いないのですが、日本のまともな店ではそんな商売はしていません。旅行者の足元を見た悪徳商法でしょう。ヒスイとはまったく別物であるクリソプレーズもヒスイとして売られています。クリソプレーズはめのうの一種で、ヒスイとは比べ物にならない低価格で販売されているものです。海外で宝石を買って騙されたとしても、それも一興と笑っていられる余裕があれば構わないでしょう。しかし、騙されたことを恨みながら一生不愉快な思いで購入した宝石を持ちつづけるのは不幸なことです。「海外で石を買ってきたので枠加工してくれ」と私の店に持ち込まれた宝石の中で、今まで感心できるものはほんの数点でした。三十年間で、たった数点なのです。ですから、現地で宝石を購入する場合はリスクが大きいことを頭に入れておいてください。それでもリスク覚悟で買ってみたい、とおっしゃるならば一つだけアドバイスです。宝石用の十倍のルーペを持参するようにしてください。実際にそれを使って見分ける目をお持ちかどうかは別の話です。少なくともルーペを取り出せば、相手はあなたに一目置くことでしょう(が、くどいようですがお勧めはしません)。