治療後に問題が起こるケースとは

2011.04.20

逆の症例をあげてみよう。40代独身男性の一人暮らし、食事は毎食コンビニ弁当、180/100の高血圧で、コレステロールが高く、糖尿病。タバコは1日30本、酒は1日焼酎のボトルー本、身長170mで体重100に昭。こういう患者さんが、目の下の治療を受けに来院されたことがある。私としては治療後の腫れが長引く可能性が高いので、正直なところお断りしたいケースだったが、「せめてタバコだけでもやめてから治療を受けるようにしませんか?」と聞いたところ、「多少の腫れは覚悟の上で、ぜひとも治療を受けたい」といわれる。そこまでいわれては、引き受けざるを得ない。しかし、その結果は予想どおり、最悪になってしまった。レーザーで粘膜を開けはじめた途端、血がにじみ出る。降高血圧剤を点滴していても血圧は150/90と高めで血が止まらない。脂肪を取り出すレーザーの切り取り止血操作も効果はない。通常はこれを2回行うとどんな人でも止血するが3回目も効果なし。当然、治療後の内出血の可能性が高くなってしまった。別のケースでは、ある40歳の女性で治療中には何も問題が生じなかった。しかし、その翌日、患者さんの顔を見ると両目の下が少し赤くなっている。「なぜ私はこのような結果になったのでしょうか?」と彼女は不満気だった。私のホームページの症例写真では、このような翌日の赤みのある人は出ていないのに、というのである。私は彼女の治療に対しては間違った対応はとっていない、落ち度はないはずだ、と考えていたので、患者さんに聞いてみた。「これまでに何か体調の異常を認めたことがありますか?どんな小さなことでもいいから、あったら思い出してみてください」「……そういえば、このあいだ献血に行ったとき、血液の比重が足りなくて、貧血で献血できなかったのですが、そのことと何か関係ありますか?」「大アリです!なぜ、治療の最初に話してくれなかったのですか!」私はふだんの声よりも思わず調子を荒げてしまった。なぜなら、そのような貧血がある場合、血小板といって血液を固める成分も少なくなるため、血が止まりにくいからだ。点滴を行った腕を見るとそこにも内出血が認められる。赤みが出ても致し方がなかった、治療前の処置で行うべきことがあったわけなのである。