日本になお路上や橋下、公園、駅舎などに「古典的ホームレス」が存在するのはいうまでもありません。厚生労働省の「全市区町村における目視調査」の結果では、その数は全国で一万六〇〇〇人余(二〇〇八年)で、多い順に大阪四三三三人、東京三七九六人、神奈川一七二〇人などとなっています。超高層の東京都庁舎がそびえる真下の西新宿の新宿中央公園に青い色のテントが並ぶ光景は、だれが見ても異様です。この場合、なかにはその生き方に関わる問題もあるかと思われますが、しかし、それら多くの大たちに対する有効な施策もなかなか打ち出されないままなのです。
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たとえば東京都の場合、そうした人たちの自立のための生活保護法の保護施設は一〇ヵ所(定員九〇一人)しかなく、常時満室で半年から一〇ヵ月の待機が日常化しています。その他の公的救護施設、宿所提供施設も同様です。だからテントで暮らすか、簡易宿泊所に行くしかありません。ここに見るように生活保護制度自体が、住まいの確保を必要としている人たちに対し、セーフティネットとして機能を果たしていないのが現状です。その結果として、戦後六十数年たってなお先進国日本では、住まいを確保できないでいる大たちが多数存在しています。そして、それが社会問題と化し、深刻な住宅問題を生じさせているわけです。どうしてこのような事態がなかなか解消されないでいるのかが問題です。その理由はかなりはっきりしています。すなわち、住宅政策において対象とすべき、そうした社会的弱者に対する施策がまったく機能していないからです。