各住戸が一個の箱として、プライバシーが保たれているかどうかについても、二つのプランのちがいは明確だ。プライバシーが確保されているかどうかを見分けるには、各箱が外部廊下から、いかに隔離されているかがポイントになる。不特定多数の人が通る外部廊下に接するかたちで窓がついているようでは、その箱は外部環境からプライバシーを保てているとはいえないからだ。プランAを見ると十二戸の中で外部廊下に接するように窓を設けた箱は一つとしてない。E、H、Kの三戸は外部廊下側にいっさい窓がなく、M、N、Qの三戸は窓の寸法そのものが小さいうえに吹き抜け空間によって外部廊下からは分離している。残りの六戸にしても、外部廊下に面するように窓はあるが、やはり吹き抜け空間によって廊下とは最低でもニメートル、最大十メートルの距離が保たれている。一方、プランBのほうはというと、すべての箱が外部廊下に接するようにして窓を設けている。一つとして、外部廊下からプライバシーを保てている箱はない。