早速、高等裁判所に反訴を提起。弁護士も代わり、また、それによって今まで外観の欠陥(意匠の問題)一辺倒でやってきたAさんサイドの争点も一変した。事前の調査の結果、業者側の瑕疵責任を十分追及できるだけの材料が出揃ったのである。ある意味で、欠陥住宅の専門家にとって「くさい建物」はすぐにわかる。ましてやコンクリート打ち放しのビルである。その見せ所ともいうべき肝心な素材の衣面が当切から劣悪だったとするならば、当然「内部にはもっと重大な手抜きが潜んでいるはず」と、まず弁護士が見抜いたのである。
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さらに欠陥現象もすでに、外観の問題以外にもビルの外壁や内部壁のクラック(ひび割れ)、度重なる水漏れといった事態が依頼者から報告されていた。超音波で内部の状態が診断できるハイテク調査を行った結果、ビルには鉄筋の手抜きやかぶり厚の大幅な不足など、本来、建築構造上あってはならない重大な瑕疵・欠陥が存配することが判明した。現在、Aさんサイドは裁判の争点を、意匠上の欠陥の主張から構造上の欠陥の主張へと争点を絞り込み、二審目に挑んでいる。しかし、なぜ六〇〇〇万円もの損害金なのか。代金支払いを遅滞した場合、損害金をとるとの規定がある。こんな業者有利の約款が被害者に襲いかかるのである。