現場での「育成あと回し」傾向

2012.01.20

会社というものは、どこの部門でも忙しいし、成果に対する上からのプレッシャーも厳しいから、「育成どころじゃない。そんなことをやっている暇はない」「育成?それは人事の仕事でしょ」「ウチの課に新人来るの?・勘弁してよ。もっと戦力になるのを送ってきてくれない?・」。こんな話を聞くことは少なくない。人事制度の改定で成果で評価される部分の比率が高くなり、どこの企業、どこの部署でも組織の中に人を育てる余裕がなくなってきている。

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人を育てて戦力化するコストをいったい誰が持つのか、その議論が曖昧なまま不満ばかりが増幅されている。まだ残る「石の上にも三年」理論。「どうせ新人なんて何もわからないのだから、黙って言われたことだけやれ。やっていればそのうちわかることがある」というのが「石の上にも三年」理論である。確かにそこにまったく道理がないわけではないが、長期雇用の概念が薄い最近の若手社員は、人生の時間軸がまったく違ってしまっている。だから「そんなことを三年もやっていたら金の卵も普通の卵になってしまう」「とてもこんなところで無駄にしている時間はない」と考える。「石の上にも三年」理論は、その後の人生は会社が面倒をみてくれるという暗黙の合意があったからこそ通用した概念だということを知らなければならない。